特攻隊長とその父

戦争をめぐる旅

戦争をめぐる旅『特攻隊長とその父5』

肇は三角兵舎に戻り、遺品を整理しながら分かれ際の言葉を思い出した。 「父ちゃん、國雄の晴れ姿を見て、うれしいじゃろ」 残された品々から立ち上がってる息子の香りをかぎながら、だれもいない兵舎の中にその声を探していた。 ...
戦争をめぐる旅

戦争をめぐる旅『特攻隊長とその父4』

昭和20(1945)年5月11日早朝、黒木國雄は2度目の出撃をする。前夜から息子と共に過ごした父・肇(はじめ)は、この時の様子を詳細に書き記している。 別れの朝 午前3時半、黒木國雄をはじめ特攻隊員は目を覚ました。朝食を済ませ...
戦争をめぐる旅

戦争をめぐる旅『特攻隊長とその父3』

知覧に着いた黒木肇(はじめ)は、思いがけない言葉を聞いた。 「黒木隊長は、三角兵舎にいます」 父と子の再会~肇(はじめ)の手記より まさか、と思いながら肇は三角兵舎へ急いだ。軍用トラックに乗せてもらい広い台地を走...
戦争をめぐる旅

戦争をめぐる旅『特攻隊長とその父2』

手記との出会い 次に出会ったのは、黒木國雄の弟・民雄が私に託してくれた父親の肇(はじめ)のノートだった。 長男・國雄の特攻出撃を見送った直後から書き始め、昭和20(1945)年6月29日未明の延岡空襲で自宅を焼かれるまでの約1...
戦争をめぐる旅

戦争をめぐる旅『特攻隊長とその父1』

黒木少尉との出会い 私は、松浦真由美を軸にした終戦50年企画の連載記事を新聞に書き始めたとき、書店で戦争関係の本を開いた。何気なく一冊の写真集を開いた瞬間、とある特攻隊員の写真に目がとまった。 出撃前の黒木國雄撮影:小柳次一提...
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