一方、第4章では島の文化には欠かせないサーフィンに焦点が当てられ、パフォーマーの絶妙なバランスの良さが要となる波を読んだかのような曲技が披露され、伝説のサーファーとして知られるデューク・カハナモクにも敬意を表する。


そして、大地の母として“パパ”の愛称で親しまれる女神パパハナウモクと、その夫となる天空神ワーケアの創世神話を紹介する第5章では、砂を撒いて紙芝居のように複数の絵画を描いていくサンドアートが用いられた。
第6章での、半神半人で海の守り神であるトカゲに姿を変えることができた女性ママラの民話は水が張られた巨大なボウルを使い、しなやかでありながらも逞しい体の動きで彼女の高貴さを強調していく。




島の固有種で山間部と海岸部に生息する半円形の花ナウパカにまつわる悲恋物語は人気の高い伝承のひとつ。第7章で紐解いていくのは、火山神ペレの逆鱗に触れて引き裂かれ、互いに片側のみが咲く花に身を変えるに至る恋人たちの物語。
女性は山間部に、男性は海岸部に逃れ、永遠にひとつの花として円形に開花できない悲しみと互いへの未練を、ローラースケートによるカップルの回転の大技で魅了する。


そして大トリとなるのが、ハワイの神々の中で最も知名度の高い火山神ペレの物語。
最終章では溶岩の猛火で大地を焼き尽くす、怒れる女神とその兄弟を崇めつつ、そこに再生を見出す島民の信仰を、大輪を用いた高所での息をのむパフォーマンスで具現化する。それを彩るのは、2本の棒を叩くカラアウを使ったダンサーたち。




出演者が客席側から登場して演技をすることが多い同舞台は、没入型の要素が豊富で、昨今の舞台芸術の流行の最先端も意識。この他にも観客参加型の場面や、大ヒットしたTVドラマ『HAWAII FIVE-O』へのオマージュも登場。
古典フラのカヒコから現代フラまでを完璧にこなす8人のダンサーによる見せ場が随所に盛り込まれ、島に歩み寄っていく。
フィナーレでは出演者が手作りした、フラで使われるヒョウタンを加工した打楽器イプを叩きながら、タイトルに“虹”を冠したハワイ語によるテーマ曲が披露される。
7色の光に恵まれた自然を尊び、島と人々の繁栄に願いを込めつつ、祖先に謝意を示し繰り返し敬う。そこから汲み取れるのは島を慈しむ純粋な思い。
ワイキキに誕生した作品が観客の心を打ち、南国のライブエンターテインメント界の新境地を切り開いていった。



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